気ままに博物館巡り

訪れた博物館、趣味で見つけた史跡やレトロなもの、古書店で購入した古い文書などについての備忘録。

桑都日本遺産センター 八王子博物館(@東京都)

■八王子博物館(@東京都八王子)

  1. 八王子の魅力あるテーマをわかりやすく展示。
  2. 見応えのあるデジタル技術。
  3. ぬくもりのある木の展示ケース。

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入口の様子

昭和42年(1967)4月開館の八王子市郷土資料館の閉館・移転にともない、八王子駅前の商業ビル内に開館(令和3年(2021)6月12日開館)。入場料無料。なお、令和8年(2026)年度には、新たな博物館機能をもった施設をつくる予定とのこと。そういった意味では、おそらく新施設開館までのつなぎ施設(?)。

 

見せ方の工夫が面白くて、木の展示ケースに丸い穴があいていて、あらぬ角度から展示ケースのなかの史料を見れたり、古文書の閲覧が可能なデジタルコンテンツ、プロジェクションマッピングによる地形模型、工夫あふれる双六、八王子車人形の体験スペースなど。

 

また、商業施設にも関わらず史料の原物が置かれていたり、お手軽に地域の勉強ができる点では良いなと思った。

 

しかし、やはり展示以外の博物館機能という意味では不十分であろうし、あくまでも「日本遺産」との関わりを中心に点でテーマを展示しているところがあるので(最後に年表と時代に応じた史料の展示があるが)、新しく建設される博物館が観光重視で調査研究がおろそかになるような施設にならないことを祈る。

 

桑都日本遺産センター 八王子博物館|八王子市公式ホームページ (city.hachioji.tokyo.jp)

 

警察博物館(@東京都中央区)

警察博物館(ポリス・ミュージアム

  1. 充実した映像展示と楽しい体験展示!
  2. かっこいい乗り物と制服!
  3. 警察(警視庁)の歴史と殉職警官の顕彰!

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警察博物館の外観

平成6年(1994)、開館。平成29年(2017)、リニューアル。

入館料無料。

 

一見お堅そうなイメージのある警察博物館

その期待は、良い意味で裏切られる。

 

映画かと思うほどのクオリティの映像展示には、来館者が立ち見をしているほど。また、交番の再現や指名手配犯探し、人相書き作成、タイヤ痕や下足痕の特定など大人が参加しても楽しいデジタルコンテンツ。もちろん、子どもたちには大人気。

 

4階、5階(このフロアのみ写真撮影不可)は照明を落とした落ち着いた空間に、見応えのある現職警察官のお仕事紹介や大警視・川路利良の貴重な史料など。麻薬のサンプルセットや殉職警官の遺品(デジタルツールで、名前-殉職の状況・理由-報道記事が検索可能)などの展示もあり。

 

階段の壁にある警察のお仕事のイラストも可愛い。

 

楽しみながら、警察のお仕事を知ることができる充実した内容だった。

オススメの博物館です(企画展は、改善の余地あり)。

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人数制限の都合もあり入館に行列

 

来て、見て、学ぶ ポリスミュージアム 警視庁 (tokyo.lg.jp)

 

 

初代県庁館(@兵庫県)

■初代県庁館

  1. 兵庫県の初代県庁舎として大坂奉行所兵庫勤番所をリアル再現!
  2. 2021年11月3日に開館したばかりで、新築の香り!
  3. MR(複合現実)技術で、伊藤博文らによる解説を受けられる!

 

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初代県庁館 入口

2021年11月3日(水・祝)開館。入場料:無料(MR技術で観る「バーチャルVISIT!」を希望の方は要受付)。追って、2022年に開館予定の「ひょうごはじまり館」と合わせて、「県立兵庫津ミュージアム」を構成する施設。

 

初代県庁舎というと、近代的な建築物かと思いきや。近世後期に設けられていた大坂町奉行所の出張施設を、当時の絵図をもとに再現。そういった意味ではとても見応えがあるし、適宜QRコードを読み込んでスマホで解説を読むスタイルはとても勉強になる。

 

この施設のウリとなっているのが最新技術を用いたバーチャル体験「バーチャルVISIT!」。これはMRゴーグルを着用して、現実空間に現れた3Dの柴田剛中(最後の兵庫奉行)や伊藤博文(初代兵庫県知事)が幕末から明治初年に兵庫県の歴史について解説してくれる。1日5回、1回5名(約20分の体験)が受けられる。

個人的には、、、たしかに体験した感があってとても良いのだが、3Dとはいえ、やはりどこか安っぽいところも。1日の実施回数や体験人数を考えれば、最新型の高画質映像で、しっかりした映像展示を流した方が、より多くの来館者に施設のコンセプトや歴史を伝えられるのでは?と思った。

とても有意義な施設だが、現状の建築物だけ且つ最低限の解説をほどこした内容では、リピートは無いだろうと思う。しかし、ちゃんと歴史資料を収蔵し、展示可能な「ひょうごはじまり館」が完成し、その付属施設として観るなら、大変意義のある施設のように思う。

 

ショッピングセンターも近いし、駐車場も出来たら、文化施設としてはそれなりに良い立地なのでは。

兵庫津ミュージアム (hyogo-no-tsu.jp)

 

#博物館 #兵庫 #神戸 #歴史

日光二荒山神社宝物館(@栃木県日光市)

 

 

日光二荒山神社宝物館

  1. 日光二荒山神社の所有する神宝を展示!
  2. 見応え十分な国宝重要文化財の大太刀!
  3. 男体山頂から出土された秘宝!

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宝物館正面

昭和37年(1962)、開館。霊峰男体山信仰により奉納された宝物、山頂遺跡から発掘された考古資料などを公開。栃木県第一号の私立博物館(登録博物館)。

中禅寺湖近くの二荒山神社中宮祠境内に所在。観覧料(一般)は500円。館内写真撮影不可。

男体山は、標高2,486mの火山。山岳信仰の聖地。

大太刀備前長船倫光(国宝・南北朝時代・全長1.24m)、大太刀称々切丸(重文・南北朝時代・全長3.4m・重量22.5kg)、男体山頂祭祀遺跡発掘品(重文)は一見の価値あり。大太刀って儀礼用なんだよね、きっと。

 

称々切丸

例大祭の弥生祭では、男体山麓より雄鹿3頭を捕り、その生皮に(称々切丸を)のせて大前にお供えする習わしになっている。名の由来は、日光山中のねねが沢に棲んでいた化け物「称々」を自然に鞘(さや)から抜け出して斬ったことから名づけられた。

 

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日光二荒山神社 中宮

 

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男体山




横浜市歴史博物館(@神奈川県横浜市)

横浜市歴史博物館

  1. 間近におかれた実物資料と充実のジオラマ展示!
  2. 多言語、子ども向け展示解説書、手話通訳など多様な配慮!
  3. 市民サークルと5年間読んだ日記の研究成果を中心に構成された企画展!

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入口

平成7年(1995)1月31日、開館。常設展入館料(一般)400円。公益財団法人横浜市ふるさと歴史財団が指定管理者として運営。同財団の理事長は五味文彦氏(東大名誉教授・歴史学者)、横浜市歴史博物館長は同じく古代史の歴史学者佐藤信氏とのこと。それは立派な博物館活動ができるわけだと納得。

 

開港資料館や都市発展記念館といい、横浜は凄い。学芸員も各時代や専攻ごとに配置されているようだし、同時代で複数配置も、、、。充実。

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企画展「横浜の大名」

展示構成

Ⅰ幕末の大名

Ⅱ幕末期の武州金沢藩

Ⅲ「日記」が伝える4年間

Ⅳその後の米倉家と藩士たち

本展示では、武州金沢藩の幕末から廃藩置県までの意向を、「日記」をもとに領地の村々の資料も交えて紹介します。また、米倉家に伝来する徳川家ゆかりの書画など貴重な資料を初公開します。廃藩置県から150年となる今年、米倉家と武州金沢藩が、移り変わる時代をどのように歩んだのか、知られざる地域の歴史を知っていただく機会となれば幸いです。(チラシ裏面より)

関連講座

1.ミニ講座「日記」を読む(全2回)90分

※日記(慶応4年~明治4年) 

企画展のもととなった「日記」に書かれたいくつかのトッピクについて、実際に本文を読み解きながら解説します。

2.武州金沢藩ゆかりの地 浦賀の史跡を歩く(全1回)180分

幕末の異国船来航や戊辰戦争の時、武州金沢藩が警備をおこなった西浦賀を中心に、ゆかりの史跡をめぐります。

3.展示みどころ解説(全3回)40分程度

企画展の目玉資料や注目ポイントについて担当学芸員が解説します。

4.横濱金澤シティガイド協会との連携イベント(全1回)180分

「幕末・明治の米倉家の史跡を歩く」

 

観光事業や短期での成果要求に振りまわされる博物館の話を聞くことがあるけれど、こうした昨今の傾向とは一線を画す、ちゃんとした展示だった。博物館の展示はこうでないと…。やっぱり横浜って凄い。そんな印象でした。

 

横浜市歴史博物館-都筑区センター北 (city.yokohama.jp)

 

 

大田区立熊谷恒子記念館(@東京都大田区)

大田区立熊谷恒子記念館(@東京都大田区

★ 熊谷恒子(1893-1986)

  1. 昭和における女性かな書の第一人者の記念館!
  2. 自宅を改装した区立の展示室!
  3. 人生最後の書は近親者へ伝えた“ありがとう”、”うれしいこころ”

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熊谷恒子記念館の入口

平成2年(1990)4月、開館。入館料100円。写真撮影不可。1階の導線のとば口で打ち合わせ中とのことで、まず最初に2階へ。。。一巡して退館。。。

最新の展示情報 | 熊谷恒子記念館 (ota-bunka.or.jp)