平将門を祀る国王神社(茨城県坂東市)
国王神社を説明する案内板曰く
御祭神は平将門公である。将門は平安時代の中期、この地方を本拠として関東一円を平定し、剛勇の武将として知られた平家の一族である。天慶三年(九四〇)二月、平貞盛、藤原秀郷の連合軍と北山で激戦中、流れ矢にあたり、三十八才の若で戦死したと伝えられる。
その後、長い間叛臣の汚名をきせられたが、民衆の心に残る英雄として、地方民の崇敬の気持は変わらなかった。本社が長く地方民に信仰されてきたのも、その現れの一つであろう。
本社に秘蔵される将門公の木像は将門公の三女如蔵尼が刻んだという伝説があるが、神像として珍しく、本殿とともに茨城県文化財に指定されている。
国王神社の入口に
講和発効記念
大東亜戦終戦後民主的神社制度布かる、官有地境■ 昭和二十五年■月 国王神社無償譲與せられ、昭和二十五年■月廿一日登録を了す 昭和廿五年五月平将門史跡として茨城[ 」入選、右録[ ]永久に伝ふ
昭和廿七年五月三十日建之
国王神社の境内には、平将門を主人公とした大河ドラマ「風と雲と虹」(1976年1月4日~12月26日放送)に関する石碑などもありました。
「風と雲と虹」の原作者は、海音寺潮五郎(1901-1977)。主演は加藤剛です。個人的には、鹿島玄明を演じる若き日の草刈正雄があまりにもイケメンだったことと、全編を通じて標準語で話す違和感が印象的な作品でした。
境内のNHK遺産
平将門がこの地に陣歿 したのは、天慶二年如月十四日のことであった。
この猿島野には、風吹き荒び砂塵渦巻き悲運だった武将の最後を弔うが如くであったと言う。爾来千有余年、筆誅により、時に叛臣とせられしも土を愛し、民衆の友となり郷土開発にその生涯を燃やし尽くした彼の魂は、今再び甦りNHKテレビ大河ドラマ「風と雲と虹と」の放映が実現した。これを記念し、宮司飯塚操氏の同窓生有志相謀り、大太鼓を
公の霊前に捧げ以てその徳に応えんとするものである。
昭和五十一年神無月
委嘱誌之
鈴木國男
あえて朝廷に反逆した人物や負のイメージのある人物を取り上げて描く、
来年度の「鎌倉殿の十三人」も源家から政権を簒奪する形となり、承久の乱(1221年)で後鳥羽上皇(朝廷)と相対した「北条義時」が主人公。
本殿前の燈篭にも
昭和五十一年
放映記念
昭和五十二年
二月十四日
国王神社奉賛会
もちろん大河ドラマで描かれることを史実と考えることは誤った認識を生むことになるので注意が必要ですが、対象となる人物や時代に関心を持つきっかけには最適ですね。