気ままに博物館巡り

訪れた博物館、趣味で見つけた史跡やレトロなもの、古書店で購入した古い文書などについての備忘録。

大田区立郷土資料館(@東京都大田区)

大田区郷土資料館(@東京都大田区

  1. 令和3年(2021)4月1日からリニューアルオープン
  2. 縄文時代のイヌ、古墳時代の人骨など充実した考古学展示!
  3. 接触のデジタルツール「おおた歴史探検ガイド」!

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大田区立郷土資料館

○概要

昭和54年(1979)11月3日、大田区の文化および学術の発展に寄与することを目的として開館。入場料無料(常設展示)。

コロナ禍前の入館者数は平成28年・2万2900人(開館296日)、平成29年・2万1006人(開館295日)、平成30年2万3015人(304日開館)で、おおむね年間2万人の来館者があるようです(同館年報より)。

体験学習として、「麦わら張り細工」、「麦わらのほたるカゴ」、「麦わらのガラガラ鳴るおもちゃづくり」など江戸時代の大森の特産である「わら細工」にちなんだ講座(麦わら細工の歴史を学び、技術を体験)。そのほか、勾玉づくり、縄文土器づくりなどの考古学の講座があるそうです。

令和3年3月31日時点での収蔵資料点数は5万8758点。

大田区ホームページ:大田区立郷土博物館 (city.ota.tokyo.jp)

 

○常設展示

常設展示室は2階にあり、階段をあがって右手側に縄文~中世の展示(考古学の成果)、左手側に近世~近代、民俗の展示があります。無料でこれだけの展示が見れて、歴史が学べるなんて嬉しい!

 

展示の見どころは、なんといっても縄文~中世展示の考古資料。今回のリニューアルを受けて、キャプションも更新されたようですし、展示された考古資料の量も膨大です。見学ルートも一応、内側に通史のシマ、外側にさまざまな発掘調査の結果出土した考古資料の展示、というように来館者の関心を想定した展示構成がされています。

 

ただ、その趣旨を説明したパネルが展示室入って目の前にはありますが、情報量が多くて最初からそのパネルに行き着くとは限らない場合があるのでは。私だけかもしれませんが、最初はどこから見ればよいのか通史を飛ばして、外側の壁ケースと内側の通史のシマを交互に見てしまっていました。ですので、階段あがりきったところの壁面などに掲示してもよいのかなと。見応えが十分するぎるゆえのことかと思います。

 

個人的には、縄文時代のイヌの全身骨格や古墳時代に出土した人骨からその人物の顔を復元したという模型や太刀など「見応えあるなぁ」と感心。縄文海進についても地図で説明されていて、とてもわかりやすかったです。キャプションパネルも綺麗ですし。

 

ちなみに、縄文~中世の展示室の入口には非接触のデジタルツール「おおた歴史探検ガイド」が設置されていました。ただ、このデジタルツール、画面に触れることなく関心のある地域やテーマの解説が見れるという仕組みなのですが…。思うようにカーソルが動かずに、逆にストレスで一か所解説を開いただけで諦めました。これなら、タッチパネルであとから消毒してもらった方が格段にストレスフリー。私の操作の仕方がよくなかったのかもしれません・・・。コロナ禍ゆえの博物館の努力がみえる仕掛けでした。

 

つづいて左側の近世~近代、民俗の部屋は、右側の考古学充実の展示に比べると見劣りがしてしまいますが、1つ1つの内容は充実しています。村の支配の話や大森わら細工、六郷用水など。大森わら細工って、専門の職人の分業によって作られていたんだ、、、結構儲かっていたんだね!勉強になりました!

 

特に六郷用水のキャプションは熱が入っていて、「これは私のような一般の客にはしんどい文字数のキャプションだな…言葉難しいし…」とタジタジでした。

 

しかし、展示室は明るくて広いし、地図と合わせて内容がわかりやすく展示されているし、考古学の展示との違いには色々な内部の問題があるのかな、、、と思いながら館をあとにしました。

 

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大森わら細工(300円)

せっかくなので、ミュージアムグッズを買って帰ろうと購入したのが、「わら細工」の板(紐?)。何かに仕えるかな?いまのところ、大田区来訪記念として引出しにしまっております。いつか活用できる日が来ることを願って。。。