お札と切手の博物館(@東京都北区)
お札と切手の博物館(@東京都北区)
- お札は信用のかたち、最先端の印刷技術と製造方法が学べる。
- 日本をはじめ世界の紙幣の歴史を学べる。
- 切手、官報の歴史が学べる。
国立印刷局が運営する「お札』と「切手」、「旅券」、「官報」に関する博物館。入場料は無料。お札の歴史は偽造対策を意識した印刷の歴史。
お札の印刷工程や偽造防止の仕掛け(すかし、凹版印刷・識別マーク、潜像模様、パールインキ、ホログラム、特殊発光、マイクロ文字など)、日本の歴代紙幣、世界の紙幣、切手の歴史、官報の歴史など。
お札は信頼のかたち。偽造防止のため最先端の高度な偽造防止技術が施されている。そんな最高峰の技術がつまった印刷物を日々使っていることを再認識。
見応えバッチリ。
【読書記録】『教養として知っておきたい 博物館の世界』(誠文堂新光社、2021年)
■栗原裕司『教養として知っておきたい 博物館の世界』(誠文堂新光社、2021年)
【教養として知っておきたい 博物館の世界 | 株式会社誠文堂新光社 (seibundo-shinkosha.net)】
【読書メモ】
◎博物館の専門家による45のアドバイスと知識をわかりやすく解説。
・大前提「一般的には、博物館に展示されている優品を見に行くことが博物館活動だと考えることが多く、発展途上国においてはまさに観光資源とみなされることもある。しかし、それは博物館の持つ多様な役割だと考えては、それこそ教養が疑われる」(p18)
・博物館とは、資料を収集、保管、展示し、調査研究及び教育普及を行う機関である。(p26)
・現代の博物館は様々な機能、役割が期待されているものの、法令上は「社会教育施設」であること、つまり、公益に資することが求められていることは押さえておきたい」(p30)
・日本には、228館もの国立博物館がある(p34)。
・工場見学そのものが生きた企業博物館なのだ(p63)
・展示におけるジェンダーにも注目してみる(p82)
・ICOM職業倫理規定 cf.2018年8月、北条歴史民俗資料館が所有(鳥取県)する資料を「お別れ展示」の開催後に処分(p84)
・常設展示の定期更新(p88)
・欧米の博物館は右回り、日本美術は左回り(文字の読み方の違い)(p109)
・ミュージアムグッズの原点は神社のお守り(そこで得た感動をご利益として持ち帰りたい気持ち)(p124)
・東博では日本語の場合119字以下。概ね120~150字程度が標準(p166)
・子ども向け解説パネ(p166)
→①安土城考古博物館、②館山市立博物館、③富山市科学博物館、④伊丹市昆虫館
・五感を通じて楽しむ博物館(p183)
→①感覚ミュージアム、②薫習館、③磐田香りの博物館、④大分香りの博物館、⑤沖縄陸軍病院南風原壕群20号、⑥音戯の郷、⑦音浴博物館、⑧新横浜ラーメン博物館
・東博は政治史、京博は文化史または美術史の時代区分(p216)
→京博には安土桃山時代がない。江戸時代も豊臣家が滅亡した1615年以降。
・おすすめ20館
→①国立アイヌ民族博物館(北海道)、②三沢市寺山修司記念館(青森県)、③横手増田まんが美術館(秋田県)、④群馬県ぐんま昆虫の森(群馬県)、⑤角川武蔵野ミュージアム(埼玉)、⑥昭和のくらし博物館(東京都)、⑦中越メモリアル回廊(新潟県)、⑧福井県年縞博物館(福井県)、⑨戦没画学生慰霊美術館無言館(長野県)、⑩博石館(岐阜県)、⑪ボーダレス・アートミュージアムNO-MA(滋賀県)、⑫河井寛次郎記念館(京都府)、⑬水平社博物館(奈良県)、⑭日本玩具博物館(兵庫県)、⑮日本ハワイ移民資料館(山口県)、⑯大塚国際美術館(徳島県)、⑰天領日田洋酒博物館(大分県)、⑱南阿蘇ルナ天文台(熊本県)、⑲知覧特攻平和会館(鹿児島県)、⑳沖縄市戦後文化資料展示ヒストリート(沖縄県)
・その他(博物館の経営形態、企業博物館一覧、博物館の調べ方、オーディオガイド、まちかど博物館など)
【読後メモ】
・博物館を単なる観光資源とみなしたり、展示を観にくる場所とのみ認識することは、博物館の多様な機能の一面しかみれていない不見識。確かに現代社会に求められる博物館の役割は多様であるが、そもそも博物館とはどういう性質の機関であるかを理解したうえで議論がなされるべきだが、どうも現実社会や政治はそうなっていないように思う。これには博物館や学芸員の知名度の低さ、「博物館文化」が社会に根付いていないことが挙げられるのではないか。人は博物館で何をどのように学ぶことができるのか、博物館における学びのあり方とはどうあるべきなのか、考える必要がある。
・展示が面白いこと、私設博物館の創設者による資料への強い想い、はとても大切なことだが、そこだけ、主に展示に関することや目先一代のことだけ、を考えていては博物館の本質を見誤るのではないか。
・とはいえ、難しいことは考えず純粋に博物館を楽しみたい。
MOA美術館・熱海山口美術館
■MOA美術館(@熱海)
私立美術館。昭和57年(1982)1月11日開館。
創立者 岡田茂吉(1882~1955)。宗教家(世界救世教教祖)。
Mokichi Okada Asoociation
創立者岡田茂吉は「美術品は決して独占すべきものではなく、一人でも多くの人に見せ、娯しませ、人間の品性を向上させる事こそ、文化の発展に大いに寄与する」との信念(公益財団法人岡田茂吉美術文化財団HP)
国宝 色絵藤花文化壺(野々村仁清)を観る。照明や設備が秀逸で洗練された雰囲気。畳に、木の展示台。写真撮影可能(シャッター×)
■熱海山口美術館(@熱海)
令和2年(2020)12月開館。体験と学びの美術館。一般社団法人山口文化財団運営。
・体験できる美術館。「美術は知れば知るほど面白くなっていきます。当館では、美術を難しく考えるのではなく、体験を通して美術に触れていただきたい。楽しんでいただきたいという想いから、「触る」、「聞く」、「使う」、「つくってみる」といった体験をご用意しております。」(美術館HP)
・学べる美術館。東京藝術大学出身の教授陣による本格的な指導のもと、プロのアーティスト養成講座を開催します(美術館HP参照)。
チケットに、1ドリンクとマグカップ絵付け体験込み。