気ままに博物館巡り

訪れた博物館、趣味で見つけた史跡やレトロなもの、古書店で購入した古い文書などについての備忘録。

すさみ町立エビとカニの水族館(@和歌山県)

■すさみ町立エビとカニの水族館(@和歌山県西牟婁郡すさみ町)

  1. キラリと光る展示の工夫が面白い!
  2. タカアシガニやイヌサメに触れる!
  3. サポーターとして水族館を応援できる!

     

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    外観

     

主にエビとカニを展示する水族館。さまざまな種類のエビやカニのほかにもウツボやペンギンなど充実の展示。大人(高校生以上)800円。和歌山市内からは車移動でなければ訪れることは難しいが、充実した内容と工夫が光る展示が面白い。一見の価値あり。訪問時には実施していませんでしたが、同じ敷地内にある「海の環境学習館」では館内の生き物を使った実験や解説、各種体験などをしているそうです。

 

◆お出迎えのウツボたち

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◆総選挙

展示している生きものを投票でランキング。ポップに紹介。

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◆サポーター制度

公的援助がなく独立採算で運営しているよう。1口、半年で5000円。サポーターになると、展示水槽の周辺に名前が掲示される。

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◆空間の工夫

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タカアシガニやイヌザメに触れられる

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HP【すさみ町立エビとカニの水族館 | 和歌山県すさみ町にあるエビとカニだけに特化した水族館です。廃校となった旧江住中学校の体育館を再利用しており館内ではエビやカニを中心に約150種の甲殻類を展示しています。 (ebikani-aquarium.com)

領土・主権展示館(@東京都)

■領土・主権展示館(@東京都千代田区

  1. 領土問題(北方領土竹島尖閣諸島)について日本国の主張と論拠を示す!
  2. 充実した配布資料!
  3. 心なしか警備が厳重!

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展示館外観(警備さんの巡回頻繁!?)

 

○概要

北方領土竹島尖閣諸島の領有問題に関する博物館。

 事業主体は、内閣官房領土・主権対策企画調整室(政府)。平成30年(2018)1月25日、市政会館日比谷公園内)に開館。令和2年(2020)1月21日、千代田区霞が関虎の門三井ビルディング1階へ移転し、一般公開開始。入館料無料。

 

○展示の目的

(前略)日本の領土でありながら、このような権利(※=主権)の一部を事実上行使できない場所が二つあります。北方領土竹島です。

 

また、日本の領土のうち、尖閣諸島については、領有権の問題はありませんが、周辺海域における情勢が複雑化しています。

 

(中略)領土・主権展示館では、これらを含む島々について、歴史を振り返りながら、日本が領有する根拠、他国・地域の主張や行動、それに対する日本の対応や考え方を説明していきます。

                         (リーフレットより)

北方領土歯舞群島色丹島国後島択捉島

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北方領土パンフレット

 

 

竹島

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竹島パンフレット

 

尖閣諸島

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尖閣諸島パンフレット

HP【領土・主権展示館 (cas.go.jp)】(充実した内容のHP!)

 

中野区立歴史民俗資料館(@東京都)

中野区立歴史民俗資料館(@東京都中野区)

近年常設展示のリニューアルが行われたとのことで、訪問。入館料無料。

郷土の文化遺産を保存し展示活用していくことを目的に、名誉都民である故・山﨑喜作氏から昭和59年(1984)に寄贈された2600平方メートルの土地に建設され、平成元年(1989)「山﨑記念中野区立歴史民俗資料館」として開設しました。「れきみん」の愛称で親しまれています。(HPより)

 

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■なかのれきみんウェルカムマップ

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中野の地理、史跡、名所を模型と映像を使って紹介しています。
タッチパネルの項目に触れると、地図上に詳細情報が表示されます。(HPより)

 

■常設展示

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常設展示風景

旧石器から現代にいたる中野区の特徴的な歴史を通史的に展示。限られたスペースでの展示ということもあってか、個人的には、いわゆる教科書的な歴史のなかで展示がどのように位置づくのか、前後の歴史的な流れとの関係がわかりにくかった。やはり東京といえども、郊外の農村地帯では展示の内容も難しいのかもしれない。しかし、無料でこれだけスタイリッシュな空間を楽しめるとともに、中野区のおおまかな歴史を学べるのはやはり素晴らしい。常設展示図録と照らしあわせながら、じっくり観覧するとより理解が深まるかもしれない。

HP【中野区立歴史民俗資料館 | 中野区公式ホームページ (tokyo-nakano.lg.jp)

 

■その他散策の史跡

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野方配水塔

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氷川神社狛犬文久4年(1864)建立)

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哲学堂

新井白石墓、堀江家墓、股野琢墓など。

三重県総合博物館(MieMu)@三重県

三重県総合博物館(@三重県

  1. 大人も楽しめる「こども体験展示室」
  2. 豊富なデジタル機器とハンズオンで伝える基本展示
  3. 自然と人文(民俗学)の融合展示

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正面入口

平成26年(2014)4月19日、開館。

三重県の多様な豊かな自然と歴史・文化を紹介する総合博物館。

 

学芸員コレクション

学芸員がプライベートで集めたコレクションを紹介。学芸員の意外な一面や収集の面白さを伝える。

例)ミュージアムのスーベニアコイン、風景印、缶バッチ、小型ゲーム機など。

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■三重の実物図鑑

三重県に生息する生物などの標本を展示。

写真や文章からでは得ることのできない実物を感じるという博物館ならではの体験を通して、資料の意味を知ってもらう展示

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■こども体験展示室

それぞれの場所でこどもたちが自ら何かをみつけ、興味をもったものをしらべ、みつけたものを発表できるようになっています。じつはこの一連の流れは博物館の学芸員の仕事である調査・研究・展示発表とおなじ流れです。博物館はこどもには難しい、敷居が高い場所と思われていることがおおいですが、こども体験展示室は小さなこともでも身近に感じ、楽しめる展示室です。

 

①「やってみるコーナー」

三重の身近な自然や文化を海、川、山、地面、町、家のそれぞれの場所ごとに展示しています。立体的な構造をしており、展示物に触ってみたり、音を聞いたり、実際に自然のなかにはいっているかのように楽しみながら学ぶことができます。

②「しらべるコーナー」

やってみるコーナーでみつけたもの、興味を持ったものについて図鑑などでしらべたりする場所です。また下の引き出しには「なにこれボックス」があり、体験しながら学べるものがはいっています。

③「つたえるコーナー」

やってみるコーナーでみつけたもの、しらべるコーナーでわかったことを、ともだちにつたえ、共有する場です。つたえたいことを文字や絵にして掲示するほか、こどもたちがみつけたモノや取り組んだ作品を専用ケースで展示します。

④「未就学児スペース」

まだ小さなこどもと一緒でも安心して博物館を楽しめるよう、やわらかいクッションを使っています。本棚の一部には中にはいれり場所や、絵本は普通のおはなしだけでなく博物館や三重に関連したものも用意しています。

                     と大きく4つのコーナーで構成される。

県立の博物館ゆえに実現可能な空間。子どもたちが将来も博物館のファンとして成長してもらえるよう充実した内容となっている。近くにお手洗いが設置されている配慮もさすが。

 

■基本展示

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基本展示入口に「三重はこんなところ」という、三重がどんなところなのか、その特徴をいくつかのテーマで紹介。

 

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デジタル画像で現在と過去の地図が照らし合わせて見れる。海岸線の変化をみれるのは面白い。

 

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限られた空間ゆえにか、あえて通史展示を行わず、三重県の歴史として一番のウリである江戸時代に特化した内容、それも海運や伊勢参宮、伊勢商人など特定のテーマに振り切った展示構成が特徴。

 

そのほか、県内生徒につくってもらった紙のイワシで表現したイワシの大群や博物館の感想を付箋に記入して掲示できるコーナーなど盛りだくさん。

 

 

 

災害関係の史跡&稲むらの火の館(@和歌山県)

和歌山県には災害を後世に残すべく築かれた江戸時代の史跡がたくさんあります。
 
特に嘉永7年[安政元年](1854)11月4日に遠州灘震源とする地震津波により甚大な被害をもたらした「安政地震津波」のものがいくつかありました。

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地震津波心得の記(正面)
まずは、現湯浅町の深専寺にある「大地震津波心得の記」(安政3年(1856)建立)。多くの人が浜辺へ逃げ、津波にのまれて死亡したことを受けて、必ず山へ逃げることなどが記されています。
 
続いて、江戸時代に築かれたという広村堤防。

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広村堤防

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旧広村の海
現広川町の濱口梧陵(1820~1885)が、安政地震津波の際に稲むらに火を放って、この火を目印に村人を誘導しました。その濱口が私費を投じて築かせたという広村堤防は、津波によって職を失った被災民救済の役割も果たしていたそうです。
 

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濱口梧陵をたたえる「感恩碑」
 
広川町では、こうした濱口梧陵の偉業と防災について学ぶ施設として「稲むら火の館」(津波防災教育センターと濱口梧陵記念館により構成)が開館しています。
 

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稲むらの火の館

まずは3Dシアターで、濱口梧陵が如何に地震津波の被害に向き合い、復興を果たしていったのかなどの映像を鑑賞。のち津波防災教育センターで津波地震被害について学び、濱口梧陵記念館で濱口の人となりなどを学ぶ。歴史って本来、こうして後世の人たちに教訓や人生の勘所みたいなものを伝える役割があるんだよなと実感。

 

なお、濱口梧陵こと七代目濱口儀兵衛はヤマサ醤油(銚子)の経営者。江戸時代において、複数の拠点を持って生きる商人(百姓身分)ってどういう仕組みなのでしょうか。気になるところです。
 

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津波による溺死者供養碑

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こんな碑もありました。海とともに生きるということは、恵みを受けるだけではなく、災害とも向き合わなければいけないということを具体的に学びました。
 

めぐろ歴史資料館(@東京都)

■めぐろ歴史資料館(@東京都目黒区)

 

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廃校を利用した資料館

平成16年(2008)9月、旧目黒区立中学校の校舎を改装して開館した資料館。

入口にいたる道沿いには、目黒区内の石造物が並ぶ。入館無料。

 

常設展示では、旧石器時代から近代までの目黒区の歴史を紹介。

照明の落とされた空間に、ブルーベースのキャプションなどシックな雰囲気。

展示パネルもピクチャーレールで可変的なものになっている。

 

入口付近の各地層からどのようなものが出てくるのか、という展示は一目でみてわかりやすく面白かった。特に考古資料は展示物が豊富。

 

また、江戸時代の目黒の特徴として「鷹場」などの展示。やや中世以降の展示が、考古資料に比して通史を紹介するスペースが少ないような気がした。いま展示している史料でも十分興味深いので、もったいない。

 

とても面白い内容なのだが、やはり廃校を利用している、限られたスペース(1階の一部分)、駅から少し離れている、ということがもったいない。

 

めぐろ歴史資料館 目黒区 (city.meguro.tokyo.jp)

 

 

自転車博物館(@大阪府)

■自転車博物館(@大阪府堺市

  1. 自転車の歴史はわずか200年前から!
  2. 堺市の歴史と自転車の意外なつながり!
  3. おしゃれな空間で歴代の名車が観覧できる!

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自転車博物館のある建物

平成4年(1992)4月開館。自転車の部品メーカーである「SHIMANOシマノ)」が作った公益財団法人によって運営される国内唯一の自転車博物館。

入館料は一般200円。

 

堺市は自転車産業発祥の地といわれているそう。その起源は、明治30年代に堺市でレンタサイクル業が開業したが、当時の自転車にはブレーキなどもついていないため転倒になどによる故障が多かったそう。

 

そうしたところ、鉄砲作りなどで鉄の加工技術に長けた堺では、その技術を活かして自動車部品の製造が盛んに行われたそう。展示室には、そうした初期の日本の自転車や皇室へ献上された歴代の名車が展示されている。

 

そのほか、1818年に特許が取得されたというドイツ産の最初期の自転車が展示されている。最初はただ地面を蹴って前に進むだけのものであったのが、その後クランクとペダルがつき、前輪を多くしてペダル1こぎで長く、速く走れるようになり、素材も木から鉄やゴムなどへ、チェーンで後輪を駆動などなど、自分たちの身近に利用する乗り物「自転車」の発展段階がよくわかる。

 

コロナ禍でなければ(?)、自転車の講習や展示されているような古い型の自転車にも試乗できるよう。自転車の歴史を学びつつ、堺市や会社の宣伝にもなるし、とても楽しい施設でした。

 

自転車サイクルセンターとは | 自転車博物館サイクルセンター (bikemuse.jp)